更谷光二(さらたに・みつじ)|第33期・第1ヘリコプター団長

その更谷が陸上自衛隊に入隊したのは平成元年3月。

原隊(初任地)は大阪府八尾市に所在する中部方面ヘリコプター隊であり、同地で初級幹部として、厳しい陸上自衛官としてのスタートを切った。

なお管理人(私)は奈良県生駒市に住んでいるが、たまに八尾から、陸自のヘリコプターが回転翼機らしい独特の飛行音を鳴らしながら上空を通過してくのを眺めるのが大好きである。

(画像提供:陸上自衛隊第1ヘリコプター団公式Webツイッター

その後職種部隊では、明野の第5対戦車ヘリコプター隊、同じく第10飛行隊の隊長を経て、平成24年12月には第一輸送ヘリ群の群長に上番。

スタッフや幕僚のポストでは、陸幕防衛部、研究本部研究員で辣腕をふるい、中央の班長ポストでは陸幕の運用支援・情報部情報課の武官業務班長、さらに人事教育部人事教育計画課の服務室長を経験し、課長ポストは人事教育部厚生課長で着任した。

その間、平成19年6月から在ミャンマー防衛駐在官として現地に赴任し、厳しい環境の中で国益に貢献したことは先述のとおりだ。

そして平成30年3月、陸将補に昇任すると東北方面総監部の幕僚副長として重い責任を担い、その後職として令和2年3月から、航空科出身の将官として最高に栄誉あるポストの一つ、第1ヘリコプター団長兼ねて木更津駐屯地司令に上番している。

33期のみならず、陸自を代表する航空科の幹部の一人であると言ってよいだろう。

なお上記2枚の写真だが、恐らくコロナ禍の中ではメディアも余りイデオロギー遊びにかまけている暇もなかったのだろう。

2020年3月26日に発足した、輸送航空隊の編成式の模様だ。

そしてこの輸送航空隊が運用する機種こそ、ティルトローター機であるV-22、すなわちオスプレイである。

多くは申し上げないが、オスプレイが本来的なリスクではなく、日本の国益を望まない勢力や政治団体によって指弾され続けているのはご存知のとおりだ。

そんなオスプレイの戦力化を任される最初の第1ヘリ団長に更谷が任された事をもってしても、更谷にかかる期待の大きさをご理解頂けるのではないだろうか。

ぜひ、我が国の命運をその双肩に担う更谷の活躍には、ますます注目して欲しいと願っている。

なお余談だが、その更谷に関する自衛隊豆知識である。

古いデータで恐縮だが、実は更谷は2019年3月当時、奈良県出身の唯一の陸自の将官であった。

ある意味でそれもそのはずで、実は奈良県は我が国で唯一、陸自の駐屯地が1つも存在しない都道府県として知られる。

もちろん海無し県なので、海自の基地も存在しない。

唯一、航空自衛隊奈良基地があるが、こちらは幹部候補生学校なので滑走路もなく、教育機関としてのみ、機能している状況である。

ちなみに2018年6月の集計で、最も多くの陸自の将官を排出していたのは福岡の15名。

さらに鹿児島の10名と、九州勢が続く。

この辺りは、興味があれば下記リンク

【自衛官の出世と昇給】自衛隊で出世できる都道府県・できない都道府県

を参照して頂ければと思うが、要するに「自衛官を志す」という文化も素地もまるで無い土地柄から、更谷は自衛官を志し、さらに将官にまで昇ってしまったということだ。

簡単に言うようだが、これは本当に簡単なことではなかったはずだ。

管理人(私)も奈良の近隣で、伝統的にリベラル勢力が強い土地柄で、リベラル勢力が強い時代に幼少期を過ごしている。

学校教育の現場では、公立中学でも教師たちは公然と自衛隊を罵り、憲法違反の存在であると持論を展開し、生徒たちに「自衛隊は違憲である」という”正解”を誘導していたような時代だ。

そんな時代に、さらに「自衛官不毛の地」である奈良県で自衛官を志し、さらに将官にまで昇ってしまった更谷の存在は本当に特筆すべきものだ。

そういった意味でも、ぜひ多くの国民に、更谷の活躍には注目して欲しいと願っている。

では最後に、その更谷と同期である33期組の人事の動向について見てみたい。

33期組は2014年に最初の陸将補が選抜され、2020年夏の将官人事、つまり間もなく、最初の陸将が選抜される予定になっている年次だ。

そして2020年5月現在で、以下の幹部たちが陸将補の任にあたっている。

冨樫勇一(第33期)・陸上幕僚監部人事教育部長(2014年8月)

山根寿一(第33期)・第13旅団長(2014年8月)

牛嶋築(第33期)・東北方面総監部幕僚長兼ねて仙台駐屯地司令(2014年8月)

末吉洋明(第33期)・陸上幕僚監部運用支援・訓練部長(2014年8月)

廣惠次郎(第33期)・陸上幕僚監部指揮通信システム・情報部長(2015年3月)

児玉恭幸(第33期)・教育訓練研究本部副本部長兼ねて総合企画部長(2015年8月)

梅田将(第33期相当)・警務隊長(2015年12月)

酒井秀典(第33期)・第11旅団長(2016年3月)

宮本久徳(第33期)・高射学校長兼ねて下志津駐屯地司令(2016年12月)

堀江祐一(第33期相当)・東北方面総監部幕僚副長(2017年3月)

楠見晋一(第33期)・中央情報隊長兼ねて陸上総隊司令部情報部長(2017年8月)

更谷光二(第33期)・第1ヘリコプター団長兼ねて木更津駐屯地司令(2018年3月)

竹内綱太郎(第33期)・化学学校長(2018年12月)

豊田真(第33期)・第1施設団長(2018年12月)

高木勝也(第33期)・第1高射特科団長(2019年4月)

※肩書はいずれも2020年5月現在。( )内は陸将補昇任時期。

以上のような状況になっており、恐らく2020年夏の陸将人事では、冨樫、山根、牛島、末吉の4名が中心になって、選抜が進められるのではないだろうか。

人事のルーティンが過渡期にあるので多少の違いはあるかも知れないが、いずれにせよこの4名が33期組の陸将候補であることは間違いがなさそうだ。

更谷については、我が国の国運を任されていると言っても過言ではない要職を任されたほどの幹部だ。

機動力が重視される陸自の方向性から考えても、今後さらに要職を任され、活躍の場を広げていくことになるだろう。

いずれにせよ、33期組は2020年代半ばにかけて、我が国と世界の平和を守る中心となって活躍する世代である。

その動向にはますます注目し、そして応援していきたい。

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊第1ヘリコプター団公式Webツイッター

◆更谷光二(陸上自衛隊) 主要経歴

平成
元年3月 陸上自衛隊入隊(第33期)
2年3月 中部方面ヘリコプター隊(八尾)
6年3月 第5対戦車ヘリコプター隊(明野)
8年8月 航空学校(明野)
10年8月 幹部学校(目黒)
12年1月 3等陸佐
12年8月 調査学校(小平)
14年3月 陸上幕僚監部防衛部(市ヶ谷)
15年7月 2等陸佐
17年3月 第10飛行隊長(明野)
19年6月 在ミャンマー防衛駐在官 1等陸佐
22年8月 陸上自衛隊研究本部研究員(朝霞)
22年12月 陸上幕僚監部運用支援・情報部情報課武官業務班長(市ヶ谷)
24年12月 第一輸送ヘリ群長(木更津)
26年3月 陸上幕僚監部人事教育部人事教育計画課服務室長(市ヶ谷)
27年12月 陸上幕僚監部人事教育部厚生課長(市ヶ谷)
30年3月 東北方面総監部幕僚副長(仙台) 陸将補

令和
2年3月 第1ヘリコプター団長兼ねて木更津駐屯地司令(木更津)

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