【退役】山﨑嘉樹(九州補給処長・陸将補)|第28期・陸上自衛隊

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その山﨑が陸上自衛隊に入隊したのは昭和59年3月。

原隊(初任地)は香川県の第310武器野整備中隊であり、諸外国で言うところの修理工兵部隊の幹部として、その自衛官生活のスタートを切る。

1等陸佐に昇ったのが平成15年7月であったので、こちらは1選抜後期(1番手グループ)となるスピード出世であった。

(画像提供:陸上自衛隊目達原駐屯地公式Webサイト 広報めたばる73号)

(画像提供:陸上自衛隊目達原駐屯地公式Webサイト 広報めたばる72号)

その後、健軍駐屯地業務隊付の時代に熊本大学大学院に通学し博士号を取得。

技術系幹部としてのキャリアを確実なものにすると、職種部隊と研究開発系の要職をそれぞれ多く歴任する自衛官生活を送る。

その職種部隊での活躍は、大隊長を第4後方支援連隊武器大隊で。

連隊長ポストは第11後方支援連隊で上番した。

その間、技術研究本部では第4研究所勤務、陸上担当の技術開発官付などを経験した他、開発実験団長にも着任。

中央(陸幕、統幕)では、陸幕の防衛部防衛課編成班編成係、統幕の後方補給室後方計画班長などの要職を歴任した。

また兵站系の幹部としてもその活躍の幅は広く、装備施設本部武器課長、補給統制本部火器車両部長などでも活躍。

そして平成28年12月、技術系の最高位とも言える防衛装備庁プロジェクト管理部プロジェクト管理総括官に着任し、その後職として、後方支援系では最高位のポストの一つである、九州補給処長兼ねて目達原駐屯地司令に着任した。

我が国の屋台骨を支える、後方支援、兵站、補給などあらゆる実務に通じている最高幹部と言って良いだろう。

 

では最後に、その山﨑と同期である28期組の人事の動向について見てみたい。

2018年1月現在、陸上幕僚長を務めるのは山崎幸二(第27期)

その1期後であり、また陸自は陸海空自衛隊の中で幕僚長の若返りが最も進んでいることから、おそらく山崎幸二の後任である第37代陸上幕僚長には、第28期組の中から選抜される可能性が高いだろう。

そして既に、その最終候補者たちは出揃っており、以下の陸将たちの中から選ばれることになると思われる。

 

田浦正人(第28期)・北部方面総監 機甲科出身

住田和明(第28期)・東部方面総監 高射特科出身

岸川公彦(第28期)・中部方面総監 施設科出身

湯浅悟郎(第28期)・西部方面総監 普通科出身

岩谷要(第28期)・陸上自衛隊研究本部長 施設科出身

この中で最も可能性が高いのは、おそらく住田と岸川だが、その理由についてはこちらのコラム、

【コラム】初代陸上総隊司令官人事予想|2017年10月

で詳述しているのでここでは割愛したい。

 

そんな人事の状況でもあることから、おそらく山﨑は、現在のポストを最後に退役となる可能性が高いのではないだろうか。

とは言えその時期は、まだ恐らくもう少し先のことになるはずだ。

そして当面の間は、この最も緊張状態にある西方の兵站を担う要職にあり、その知見をフルに活かして活躍してくれることだろう。

 

数少ない武器科出身の山﨑のご紹介であった。

その活躍には今後とも注目し、そして変わらず応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊目達原駐屯地公式Webサイト

◆山﨑嘉樹(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
59年3月 陸上自衛隊入隊(第28期)
59年9月 第310武器野整備中隊(隊付教育)
62年3月 健軍駐屯地業務隊付

平成
3年3月 武器教導隊整備小隊火器班長
4年3月 技術研究本部第4研究所
6年3月 幹部学校付
7年1月 3等陸佐
7年3月 技術研究本部技術開発官付(陸上担当)
9年3月 陸上幕僚監部防衛部防衛課編成班編成係
10年7月 2等陸佐
13年3月 第4後方支援連隊武器大隊長
15年3月 第4後方支援連隊第1整備大隊長
15年7月 1等陸佐
15年8月 幹部学校付
15年9月 防衛研究所
16年8月 幹部学校教育部(戦略教官室教官)
16年12月 統合幕僚会議事務局第4幕僚室年度班長
18年3月 統合幕僚監部主席後方補給官付後方補給室後方計画班長
18年8月 第11後方支援連隊長
20年3月 北海道補給処装備計画部長
21年3月 装備施設本部武器課長
24年3月 補給統制本部火器車両部長
27年3月 北部方面総監部装備部長
28年3月 開発実験団長 陸将補
28年12月 防衛装備庁プロジェクト管理部プロジェクト管理総括官
29年12月 九州補給処長兼ねて目達原駐屯地司令
30年12月 九州補給処長兼ねて目達原駐屯地司令のポストを最後に勇退

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