【退役】加治屋裕一(東北補給処長・陸将補)|第29期・陸上自衛隊

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その加治屋が陸上自衛隊に入隊したのは昭和60年3月。

1等陸佐に昇ったのが平成16年7月なので、29期1選抜後期(1番乗りグループ)での昇任となる、スピード出世だ。

そしてそこから、実に14年間を1等陸佐として最前線で指揮を執り、先述のように30年3月、陸将補に昇任している。


(画像提供:陸上自衛隊北部方面後方支援隊公式Webサイト

率直に言って29期組は、既に将官の勇退が始まっている年次である。

2018年8月の将官人事では、29期組から以下の陸将補が勇退となった。

 

坂下栄治(第29期)・中央会計隊長

杉山利行(第29期)・第1師団副師団長

飯盛進(第29期)・防衛研究所副所長

※補職は退職時のもの。

 

またこれ以外に、30期組からも堀切光彦(第30期)・関東補給処副処長がこの人事で勇退となった。

勇退とはつまり、非常に優秀でまだまだ活躍はできるものの、後進に道を譲る必要があるために為されるものだ。

にも関わらず加治屋は、同期の将官たちが後進に道を譲ろうとしている2018年3月に陸将補に昇任し、この要職を任されたことになる。

その理由は大きく2つだろう。

1つには、そこまでしてでも加治屋を将官に昇任させ、これまでの功績に応えないわけにはいかないほどの仕事をしてきたこと。

もう1つは、そこまでしてでも加治屋の力が、今のポストに必要であったということだ。

そのことだけでも、加治屋という将官の人となりや実力・実績に加え、輸送科という職種の重要性が高まっていることがうかがえるのではないだろうか。

まさに堂々の、遅咲きの将官昇任であった。

 

なお上記の画像だが、もちろん加治屋の退役時の画像ではない。

将官に昇任し、前職を去る際に駐屯地を挙げて送り出される際のものだ。

離任式の様子もまた、加治屋の人となりが伺い知れるものとなっている。

また余談だが・・・

実は退役間際に将官に昇ると、勇退の際に早期退職手当が支給されなくなり、金銭面ではもっとも痛いと、中の人から聞いたことがある。

そのため、名誉と退職後のお手当を併せてゲットするには1佐として退役を迎え、退職の日に営門将補に昇るのがもっとも良いのだとか・・・。

そう言った意味では、加治屋将補は(金銭面では)もっとも痛い昇任であったのかも知れない・・・。

 

では最後に、加治屋と同期である29期組の、陸上幕僚長候補たちをご紹介して終わりにしたい。

29期組は、先述のように将官の勇退が始まっており、陸上幕僚長候補は出揃っている。

そしてその幹部たちの顔ぶれは、以下の通りだ。

 

本松敬史(第29期)・統合幕僚副長(2016年7月)

上尾秀樹(第29期)・東北方面総監(2016年7月)

高田克樹(第29期)・東部方面総監(2016年7月)

納富 中(第29期)・防衛大学校幹事(2016年7月)

柴田昭市(第29期)・防衛装備庁長官官房装備官(2017年3月)

山内大輔(第29期)・陸上自衛隊補給統制本部長兼ねて十条駐屯地司令(2017年3月)

清田安志(第29期)・第6師団長(2017年8月)

岩村公史(第29期)・第9師団長(2018年8月)

権藤三千蔵(第29期)・陸上自衛隊関東補給処長兼ねて霞ヶ浦駐屯地司令(2018年8月)

※肩書はいずれも2018年8月現在。( )は陸将昇任時期。

 

上記では、2018年8月現在で陸将にある29期組を全員挙げさせて頂いているが、実質的には本松、上尾、高田、納富の4名となる。

陸上幕僚長のイスは、同期だけでなく期別を越えたイスの取り合いになるので、後はめぐり合わせと言ったところだろうか。

 

加治屋については、ほぼ間違いなく東北補給処長が退役のポストとなるだろう。

そしてその大仕事を必ずやり遂げてくれるに違いない。

最後の最後までその活躍には注目し、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。


(画像提供:陸上自衛隊北部方面後方支援隊公式Webサイト

◆加治屋裕一(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
60年3月 陸上自衛隊入隊(第29期)
61年3月 第12輸送隊(相馬原)

平成
3年3月 第12後方支援連隊輸送隊(相馬原)
4年8月 幹部学校CGS38期(目黒)
6年8月 中央輸送業務隊(横浜)
8年1月 3等陸佐
8年3月 霞ヶ浦駐屯地業務隊付(霞ヶ浦)
9年3月 陸上幕僚監部人事部人事計画課(檜町)
11年7月 2等陸佐
12年3月 第11後方支援連隊輸送隊長(真駒内)
13年8月 陸上幕僚監部人事部人事計画課(市ヶ谷)
15年8月 幹部学校付・統幕43期一般課程(目黒)
16年7月 1等陸佐
16年8月 陸上幕僚監部装備部輸送課総括班長(市ヶ谷)
18年3月 陸上幕僚監部装備部装備計画課輸送室(市ヶ谷)
18年6月 イラク後送業務隊長(座間)
18年10月 東部方面総監部防衛部付(朝霞)
19年3月 中央即応集団司令部後方補給部長(朝霞)
20年8月 陸上幕僚監部装備部装備計画課輸送室長(市ヶ谷)
22年12月 統合幕僚監部首席後方補給官付後方補給官(市ヶ谷)
24年7月 中央輸送業務隊長(横浜)
26年12月 東北方面総監部装備部長(仙台)
28年12月 北部方面後方支援隊長(島松)
30年3月 東北補給処長 陸将補(仙台)
31年4月1日 東北補給処長のポストを最後に退役

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