その関口が陸上自衛隊に入隊したのは昭和62年3月。
1等陸佐に昇ったのが平成18年1月なので、31期組1選抜前期(1番乗り)となるスピード昇任だ。
その後、12年に渡り1等陸佐として現場指揮を執り、陸将補に昇ったのが29年12月。
現場経験に裏付けられた、上滑りしない非常に頼もしい、堂々の将官昇任であった。
そのキャリアは、陸自航空屋の幹部として非常に充実したものになっている。
航空隊長ポストは、政経中枢師団のお膝元である中部方面航空隊に加え、我が国の精鋭中の精鋭・北部方面隊でも経験。
2018年現在、機動戦闘が最重要課題である陸上自衛隊において、その運用が増々重視されている航空科を率いる最高幹部として非常に存在感のある将補だ。
統合幕僚学校副校長という、いわば自由度の高いポストでどんな仕事を見せてくれるのか。
その活躍にとても注目が集まるところだ。
では最後に、その31期組の人事の動向について見ておきたい。
31期組は、2018年夏の将官人事で最初の陸将が選抜される年次にあたる。
それこそ、この記事をポストしてから1~2週間後には発令があるかも知れない状況である。
恐らく既に内示が出ていると思うが、その31期組から陸将に選抜される可能性がある陸将補は、2018年7月現在で以下の通りだ。
沖邑佳彦(第31期)・陸上幕僚監部運用支援・訓練部長(2012年7月)
竹本竜司(第31期)・第11旅団長(2012年7月)
前田忠男(第31期)・陸上幕僚監部防衛部長(2012年7月)
原田智総(第31期)・第15旅団長(2012年7月)
蛭川利幸(第31期)・中部方面総監部幕僚長兼ねて伊丹駐屯地司令(2013年3月)
中野義久(第31期)・東部方面総監部幕僚長兼ねて朝霞駐屯地司令(2013年8月)
亀山慎二(第31期)・中央情報隊長兼ねて陸上総隊司令部情報部長(2013年12月)
小和瀬一(第31期相当)・第14旅団長(2014年3月)
藤岡登志樹(第31期)・陸上自衛隊富士学校副校長(2014年8月)
眞弓康次(第31期)・陸上自衛隊武器学校長兼土浦駐屯地司令(2015年2月)
片岡義博(第31期)・第1特科団長兼ねて北千歳駐屯地指令(2015年7月)
吉野俊二(第31期)・陸上自衛隊化学学校長兼大宮駐屯地司令(2015年12月)
森脇良尚(第31期)・第2師団副師団長(2016年12月)
鵜居正行(第31期)・防衛装備庁プロジェクト管理部プロジェクト管理総括官(2017年3月)
野村悟(第31期)・陸上総隊司令部日米共同部長(2017年3月)
源弘紀(第31期)・第9師団副師団長(2017年8月)
関口勝則(第31期)・統合幕僚学校副校長(2017年12月)
谷村博志(第31期)・体育学校長(2018年3月)
※肩書はいずれも2018年7月現在。( )は陸将補昇任時期。
セオリー通りであれば、1選抜の陸将は恐らく、沖邑、竹本、前田、原田の4名になるのではないだろうか。
一方で前田は、南スーダン日報問題の際に一部の 煽り屋 論客から、事実無根の言い掛かりをつけられ、ネット上で酷い非難に晒された経験を持つ。
当の岡部俊哉(第25期)・前陸上幕僚長自身が、オフレコではあるが否定をしていると聞いているので、恐らく影響はないと思うが、そのことはやや、気になる状況ではある。
いずれにせよ、その答えも間もなく判明するはずだ。
いろいろな意味で、2018年夏の将官人事は楽しみに待ちたい。
関口については、後職でどのようなポストに就くのか。
次の異動が正直とても楽しみだ。
31期組の将官であれば、そろそろ長かった自衛官生活も集大成に入る頃になるが、その活躍からは目を離さず、最後までしっかりと応援していきたい。
※文中、自衛官及び関係者各位の敬称略。
◆関口勝則(陸上自衛隊) 主要経歴
昭和
62年3月 陸上自衛隊入隊(第31期)
平成
10年1月 3等陸佐
12年7月 2等陸佐
16年3月 陸上幕僚監部教育訓練課
18年1月 1等陸佐
18年8月 幹部学校(防衛研究所一般課程)
19年7月 陸上幕僚監部装備部航空機課総括班長
21年12月 研究本部研究員
22年8月 中部方面航空隊長兼八尾駐屯地司令
23年8月 陸上幕僚監部装備部航空機課長
25年8月 北部方面航空隊長兼丘珠駐屯司令
27年8月 東北方面総監部人事部長
29年12月 統合幕僚学校副校長 陸将補
コメントを残す