小谷琢磨(第4施設団長・陸将補)|第32期・陸上自衛隊

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その小谷が陸上自衛隊に入隊したのは昭和63年3月。

1等陸佐に昇ったのが19年1月であったので、32期組1選抜(1番乗り)となるスピード出世だ。

陸将補に昇ったのが29年8月であったので、10年に渡り現場で指揮を執った上での、堂々の将官昇任であった。

(画像提供:陸上自衛隊大久保駐屯地公式Webサイト

(画像提供:陸上自衛隊大久保駐屯地公式Webサイト

1佐以降のポストで見ると、職種部隊では平成23年4月、震災直後の福島に所在する第11施設群で群長に上番したのは前ページで言及したとおりだ。

中央(陸上幕僚監部)では、教育訓練部教育訓練計画課を経て、班長ポストは同じ教育訓練計画課の器材・演習場班長で、課長ポストは防衛部施設課長で務めた。

またその間、幕僚やスタッフのポストでは中部方面総監部の防衛部防衛課長、研究本部研究員、幹部学校学校主任教官などの要職を歴任している。

そして平成29年8月、陸将補に昇任したタイミングで第4施設団長兼ねて大久保駐屯地司令に着任。

広く中部方面隊全般の工兵部隊を取りまとめ、ますますその手腕を発揮している。

32期を代表する、最高幹部の一人であると言ってよいだろう。

 

ちなみにその小谷が務める第4施設団長のポストだが、近年では「出世の登竜門」として機能している。

2019年3月現在も現役にある自衛官で、小谷の前任者たちの顔ぶれを見ると、同期の1選抜というだけでなく、その中でもさらに、有力な陸上幕僚長候補と期待されている最高幹部の着任が続いているためだ。

以下のような状況だ。

 

第26代 山崎幸二(第27期)・陸上幕僚長(陸上幕僚長たる陸将)

第27代 岩谷要(第28期)・教育訓練研究本部長(陸将)

第28代 小野塚貴之(第30期)・陸上幕僚副長(陸将)

第29代 髙田祐一(第30期)・富士学校長(陸将)

第30代 小林弘樹(第34期)・統合幕僚監部運用部副部長(陸将補)

※肩書はいずれも、2019年3月9日現在。

 

となっており、びっくりするほど錚々たる顔ぶればかりだ。

施設科の重要性が高まっていることと併せ、やはり広域をカバーする大規模駐屯地ということもあるのだろう。

ますますこの、第4施設団と小谷にかかる期待は高まるばかりだ。

 

では最後に、その小谷と同期である32期組の人事の動向について見ておきたい。

32期組は、2019年夏の将官人事で最初の陸将が選抜される年次であり、2019年3月現在では、1選抜の幹部でも陸将補ということになる。

そしてその陸将補にある幹部たちは、以下の通りだ。

 

梶原直樹(第32期)・統合幕僚監部防衛計画部長(2013年8月)

大塚裕治(第32期)・陸上幕僚監部装備計画部長(2013年8月)

森下泰臣(第32期)・陸上幕僚監部防衛部長(2013年8月)

堀井泰蔵(第32期相当)・第5旅団長(2013年8月)

中村裕亮(第32期)・教育訓練研究本部副本部長兼ねて総合企画部長(2014年3月)

田尻祐介(第32期)・第12旅団長(2014年8月)

鬼頭健司(第32期相当)・陸上自衛隊幹部候補生学校長(2014年12月)

木口雄司(第32期)・高射学校長兼ねて下志津駐屯地司令(2015年8月)

腰塚浩貴(第32期)・施設学校長(2015年8月)

青木伸一(第32期)・水陸機動団長兼ねて相浦駐屯地司令(2015年12月)

池田頼昭(第32期)・第10師団副師団長兼守山駐屯地司令(2016年3月)

檀上正樹(第32期)・警務隊長(2017年3月)

小谷琢磨(第32期)・第4施設団長(2017年8月)

斎藤兼一(第32期相当)・第7師団副師団長兼ねて東千歳駐屯地司令(2017年12月)

叶謙二(第32期)・開発実験団長(2018年3月)

佐々木俊哉(第32期)・自衛隊情報保全隊司令(2018年3月)

岩名誠一(第32期)・東北方面総監部幕僚副長(2018年8月)

※肩書はいずれも2019年3月現在。( )内は陸将補昇任時期。

※2018年8月以降の将官人事で昇任した将補の期別は未確認のため、追記する可能性あり。

 

以上のようになっており、まずは梶原、大塚、森下、堀井の4名が1選抜で陸将補に昇任し、同期の最高幹部人事の中心になっている状況だ。

2019年夏の陸将人事も、おそらくこの4名を中心に選抜が進められるのではないだろうか。

 

小谷については、施設科の幹部として最も栄誉あるポストの一つである、第4施設団長を任されたほどの最高幹部だ。

今後はさらに職種部隊の枠を超えて、陸自の機動化に向けても、さらに手腕を発揮してくれることになるのではないだろうか。

 

いずれにせよ、この先2020年代前半にかけて、ますます活躍を見せてくれる事は間違いのない陸将補である。

その動向にはますます注目し、そして応援していきたい。

 

※文中、自衛官および関係者各位の敬称略。

(画像提供:陸上自衛隊大久保駐屯地公式Webサイト

◆小谷琢磨(陸上自衛隊) 主要経歴

昭和
63年3月 陸上自衛隊入隊(第32期)

平成
11年1月 3等陸佐
14年7月 2等陸佐
19年1月 陸上幕僚監部教育訓練部教育訓練計画課 1等陸佐
19年3月 幹部学校付
20年3月 中部方面総監部防衛部防衛課長
21年8月 陸上自衛隊研究本部研究員
21年12月 陸上幕僚監部教育訓練部教育訓練計画課器材・演習場班長
23年4月 第11施設群長
25年8月 陸上自衛隊幹部学校学校教官、主任教官
27年3月 陸上幕僚監部防衛部施設課長
29年8月 第4施設団長兼ねて大久保駐屯地司令 陸将補

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